10年後も、キミと。
「いい天気」

雅人くんは、思いっきり背中を伸ばしている。


「雅人くん、あのね」

「芳樹を選んだんだろ?」

「どうして?」

「ゆりの顔、見てればわかるよ」

「私ね、雅人くんと再会して、すごく好きになった。

雅人くんの言葉や態度、ひとつひとつにドキドキした。

でもね、やっぱり、大好きな人に会えないのは、さみしいよ」

「そっか、距離に負けたかぁ」

「ごめんなさい」

「謝る必要ないって」

「でも、」

「だって、距離だけだろ?

俺のこと、好きになってくれたんだろ?

じゃあ、まだ俺は諦めない。

いつ日本に帰るかわからないけど、帰ったらすぐに会いに行くよ」

「でも、私は、芳樹くんと、付き合ってるんだよ」

「まだ付き合ったばっかりだろ?

俺にも可能性が残ってると思うんだよね。

俺は、ゆりがずっと好きだよ」


そう言うと、あっという間に、唇が重なった。


唇が離れても、そのままきつく抱きしめられた。

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