10年後も、キミと。
拒否することもできたはずなのに。

私は、拒まなかった。

雅人くんに抱きしめられた瞬間は、芳樹くんのことを忘れていた。


「ねぇ、ゆり。

何かツラいことがあったら、時差なんか気にしないで連絡して。

すぐには連絡できなくても、必ず折り返すから」


「うん、わかった」

「ツラいことがなくても、連絡しろよ。

俺も、メール攻撃するし」

「なにそれ」

「俺がゆりをいつも想っている、ってこと」
< 185 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop