10年後も、キミと。
そのシャツを見ている私に気づいた芳樹くんは、

「これ気になる?

ちょっと俺には派手かなぁ」

と言って、手を伸ばした。


思わず私は、

「そうだね、ちょっと派手かも」

と、やんわり否定して、違うお店に移動した。



雅人くんと同じシャツを、芳樹くんが着るなんて。

雅人くんを忘れようとしてるのに。

忘れられなくなっちゃうよ。


そういえば、トイレでスマホをチェックしたけど、今日はまだ雅人くんからの連絡はなかった。


雅人くん。

芳樹くんと一緒にいるのに。

忘れられないよ。



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