10年後も、キミと。
翌朝。

眼を覚ますと、隣に芳樹くんはいなかった。


「芳樹くん?」

半分寝ぼけながら起きると、窓際に立っている後ろ姿が見えた。


その背中が、なんだか寂しそうで。

いとおしく思えて、思わず腰に手を回した。


「おはよう」

私が背中にささやくと、芳樹くんが振り返りながら、

「おはよ。

よく寝てたね」

って、笑って頭をなでてくれた。




その瞬間、幸せを感じたんだ。


芳樹くんの隣にいたいって、思った。
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