10年後も、キミと。
「あっ、川口さん」

バイト先の先輩の、川口さんだった。

パティシエで、接客でも頼りになる男性社員だった。


「ゆりちゃんは、彼氏とデート?」

「はい。

川口さんもですか?」

「俺は、この遊園地のデザートの件で、打ち合わせ」

「そうだったんですか」

「彼氏の顔見てから帰ろっかな~」

「いいですよ、恥ずかしいから」

「ゆりちゃんのタイプが知りたいし」

「もう、やめてくださいよ」

笑いながら答えていたら、


「ゆり?」

芳樹くんが戻ってきた。
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