10年後も、キミと。
キレイにラッピングされたプレゼントの入った紙袋を持って、ショッピングモール内の通路を駅に向かって歩いていた。

大学の帰りだったから、17時ごろだったと思う。

もう買い物は済んだし、ゆっくり歩きながら路面店を見ていたら。



芳樹くんが、知らない女の子とふたりで、買い物してた。


私は何も悪いことしていないのに、思わず隠れてしまった。


どうしよう。

挨拶した方がいい?

物陰からそっと見ると、二人は何かを選んでいるみたいだった。

芳樹くん、今日はサークル行くって言ってたのに。


見なかったことにしよう。

ただの友達だよ。

そう言い聞かせて、その場を離れた。


地下鉄の中で、涙がこぼれた。
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