10年後も、キミと。

もう一度

地下鉄の出口に向かうと、雪がちらついていた。

「初雪だぁ」

寒いのになぜか、テンションがあがる。


夜空を見上げると、まるで誰かが上から雪をまいてるんじゃないかと思うくらい、ニセモノみたいな雪だった。


しばらく、そのまま空を見上げていた。

すると、突然後ろから、ぎゅっと抱きしめられた。


「ゆり」


私の耳元でささやいた、懐かしい声。


「えっ、どうして?」


私をいま抱きしめているのは、雅人くんだった。
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