10年後も、キミと。
そこまで読んだところで、芳樹くんから電話がかかってきた。


「ゆり、ごめん」

「私こそ、変な意地張ってごめんね」

「明日、会えないかな?」

「うん、夕方ならあいてる」

「じゃあ、16時に駅前で待ってるから」

「うん、わかった」


「ゆり、俺の気持ちは変わってないから」


自分の気持ちに気づいてしまった私は、何も返事できずに


「おやすみなさい」


とだけ言って、電話を切った。
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