10年後も、キミと。
「私にとっても、芳樹くんは大切な友達だよ。

雅人くんに会えなくてさみしいときは、芳樹くんに慰めてもらうよ」

「さみしい想いさせないようにしないと、芳樹にさらわれちゃうな」


雅人くんは笑って、私の手を握った。


「年が明けたら、また日本を離れなきゃならない。

でも、必ず帰ってくるし、ゆりだけのことを想ってるから。

特別なのは、おまえだけ」


胸が苦しくてせつなくて、

「うん、待ってるね」

と返事をするのが精一杯だった。


「あと、ゆりのご両親に挨拶したいんだけど、ご都合のいい日、聞いてみてくれる?」

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