10年後も、キミと。
遠くからでもわかる、ゆりちゃんの姿。

人混みの中でも、すぐに見つけられた。

驚くだろうな。

喜んでくれたらうれしい。

最初に、何て声をかけようか。

「おかえり」じゃ、あまりにも普通だよな。

知り合いに会うかもしれないけど、手をつないで帰ったりできたらな。



そんな俺の妄想は、一瞬にして崩れていった。



笑って話すゆりちゃんの隣には、





雅人が笑っていたからだ。
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