嘘つきなポーカー 2
15章 ほろ苦いバレンタイン
寒さもピークを迎えた2月――…。
教室の窓の外では白い雪が散らつき、グラウンドを薄っすらと白く染めていた。
そんな中、寒さなど物ともせず華代は由佳に向かって熱く話を繰り広げていた。
「だーかーらー、由佳ちゃん達は両思いだったわけでしょ?だったら尚更渡さないと駄目だよ!」
由佳は間近に迫ったバレンタインデーに関して、華代から長々と説教を受けているところだった。
バレンタインとは、皆もご存知の通り、自分の想い人にチョコレートを渡すというよく分からないイベントである。
「でも小野寺薫は多分甘いもの好きじゃないし…」
「そういう問題じゃなくてー!」
「だって好きじゃない物貰っても嬉しくないでしょ。」
「…もー、由佳ちゃんって本当にバカ!」
すると隣で携帯をいじりながら話を聞いていた奈津子が、口を開く。
「華代、由佳は本当にそういうのに疎いんだよ。何を言っても無駄無駄。」