嘘つきなポーカー 2
「ねぇ、小野寺薫って甘いもの嫌いだよね?」
由佳は隣を自転車を押しながら歩く薫に恐る恐る尋ねる。
すると薫はズバッと言い放つ。
「あぁ、吐き気がする。」
由佳は「だよね…」と苦笑いをすると、再びそれとなく薫に尋ねる。
「もうすぐバレンタインだけどさ…ああいうのってどう思う?」
「吐き気がする。」
再びそう言い放った薫に、由佳は黙って苦笑いするしかなかった。
そうだ、こいつはこういう奴だった――…。
薫は由佳以上に冷めたところがある。
そんなイベントなんて興味がないのは目に見えていた。
やっぱり手作りチョコなんて、あげるだけ無駄だよな――…。
由佳は心の中で呟いた。