嘘つきなポーカー 2
「その顔。」
薫はそう言って由佳の顔を指差した。
「え?」
「俺はお前のそういう顔が見られればそれでいいんだよ。」
薫はそう言って目を細めた。
「今日のお前、なんか無理してた。」
「え……」
「俺を喜ばせてくれようとしてんのは伝わってきたけど、俺は無理してるお前よりは今みたいな自然体のお前のがいい。」
「……。」
「色々考えてくれてたんだろ?んであんま寝てなかったんだろ?倒れても無理ねぇよな。」
薫はそう言って、由佳の頭をポンポンと叩いた。
そんな薫の言葉に、由佳はフッと笑った。
「なんだ、全部お見通しだったんだ。」
「当たり前だろ。お前は分かりやすいからな。」
薫は呆れたようにそう言った。