嘘つきなポーカー 2
17章 いつまでも
由佳と薫は、顔を近づけ合ったまま俯いた。
「あれ、もしかしてお取り込み中だった?」
その人物は、2人の気まずそうな様子など全く気にする素振りを見せず、楽しそうな顔をしながら近付いてくる。
薫ははぁーと大きなため息をついた。
「お前なぁ…ちょっとぐらい空気読めよ。」
薫がそう言うと、和也は「わりーわりー」と笑って頭を掻く。
「でも、お前らの姿が見えたからさ。思わず声かけちゃったよね〜。」
全く反省する様子もない和也に、由佳も呆れざるを得なかった。
あと、ほんの1cmだったのにな―――…
まだ余韻の残る胸の鼓動を感じながら、由佳は心の中でそう呟いた。