嘘つきなポーカー 2
和也はとある店の前まで2人を連れてくると、足を止めた。
由佳たちの目の前には立派な和風の門構えをした料亭があり、そしてその入り口には「蕉庵」と書かれた暖簾が掛かっている。
「ここ、俺ん家。」
和也は得意げにそう言うと、由佳と薫を店の中に招き入れた。
「お邪魔します…」
由佳はそう言って店に入る。
店の中をキョロキョロ見渡してみると、立派な木で出来たカウンター、座敷、照明などがあり、とても上品で高級そうな造りになっていた。
いかにも高級な料亭といった内装だ。
「すごい…本格的……」
由佳が店内を見渡しながら感心したようにそう言うと、和也は得意げに「だろ?」と言って笑った。
和也がこんな立派な料亭の家の子だったなんて、なんだか意外だと由佳は思った。