嘘つきなポーカー 2
「親父ー!友達連れてきたー!」
和也は店の奥に向かってそう叫んだ。
すると、店の奥のほうから男の人がぬっと顔を出した。
「ほら、いつも話してる薫と笠原。」
和也がそう言って由佳と薫を指差すと、一見怖そうな和也の父親の顔がくしゃっと緩んだ。
「初めまして。いつも話聞かせてもらってるよ。和也と仲良くしてくれてるみたいで、ありがとうね。」
和也の父は由佳と薫に向かって微笑みながらそう言った。
見た目とは違い、とても優しそうな人だった。
「親父!こいつらに自慢の料理食わせてやってよ!2人共、親父の作った料理食ってみたいって!」
和也がそう言うと、和也の父は「おう、任せろ!」と言って親指を天井に向けた。
「なんか、いい親子だね…」
由佳は薫に向かって呟いた。
「あぁ、そうだな。」
薫もフッと笑って答えた。