嘘つきなポーカー 2


「ちょうど、和也と私と薫の3人で昼休みに雑談してる時だった。和也が担任に呼び出されて…」


奈津子は話し始める。


「俺らも、どうせあいつのことだからまた何かやらかしたんだろうぐらいにしか思ってなかった。」


今まで黙っていた薫も奈津子に続いて口を開いた。


「でも、帰ってきた和也は血相を変えて言ったの。母ちゃんが事故に遭った、って……」

「……。」

「和也、すごい勢いで学校を飛び出して行ったけど…間に合わなかったみたい。信号無視したトラックに轢かれて即死だったって。」

「……。」


由佳と華代はただ黙っていることしか出来なかった。

今まで和也は1度もそんな過去を背負っている素振りを見せてこなかったので、由佳もにわかには信じ難かった。


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