恋してるって、なんだこれー?
「あのさー、名前なんてゆーのー?」

私が聞くと。彼は

「教えたら、付き合うー?」

冗談だろうか。でも。まぁ、めんどくさいし。

「やっぱ

「浪崎 ~(なみざき〜)

そのとき、風が強くなって。

上手く聞けなかった。



「お前はー?」


「相沢 恋華(あいざわ れんか)っ」

「恋華かぁー。ふーん。いい名前じゃんっ」



どこがよっ、このせいで……どれだけ。



「お前はお前で、いーんじゃねー?」


んなこと、わかんないよ。


気づけば、涙がでていた。



~お前はお前で、いーんじゃねー?~


適当な、言葉なのに。

何故か。嬉しかった。


彼は、浪崎は、私の涙を隠すように。


そっと、アタマに。

学ランをかぶせてくれた。


ぴろろろーぴろろろー...♪*゚

「はーぃー?」

「まだー?」

「もうちょい」

「早く来てねーぇ」

「ほいよっ」

桜からの、電話だった。


「誰からー?もしかして。彼氏とかー?」

「彼氏なんて。いなぃし」

「まぢかよっ。んな、かわぃーのに」

「可愛くなんか。ないし」

「もてるっしょ」

「モテないしっ」

「まぢかよっー」

「浪崎の。ほーが、もてるっしょっ」

「おいおいっ。いきなり。呼び捨てかよっ」

「あっ。ごめんっ」

「まぁ、いーけどさっ」





ギギギキイィー。





「着いたぞっ」



「ありがとっ」


「んっ」

「学校いかんのー?」


「あっ。俺ー?」

「おうっ」

「なんでっ」



「なんでもっ」


「そっかっ」


走りながら、後ろを向くと彼は、私の方をみて、ピースをしてくれたっ。



私は。



「ありがと〜〜」

と。

もう一度、言った
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