夜を駆ける


「一旦、子供達を連れて帰ろう…」

 捜しても捜してもスンホンは見つからず、日差しは弱くなり太陽は随分傾いてしまった。

「もう大人にまかせるしかないよ…」

 ハンが子供達を整列させ、人数を確認していく。

「…帰ろう」

 悔しくて悔しくて唇が切れそうなくらい噛んでいるのに、涙とともに嗚咽が喉から飛び出そうとする。

 なんでもっと気をつけなかったのか

 なんでスンホンから離れてしまったのか

 脳裏に浮かぶのは暗闇の金の瞳で、あの獣に連れ去られたとしか思えなかった。
涙をぬぐいもせず、流れるままにしていた。立ち止まっているあたしの所に、ソウニャが来て腕を取り子供達の列の最後について歩かせた。

「もう私達でどうにかできる範囲じゃないよ。大人にまかせよう」

 励ますように背中を押してくれる。ひとつ年下ながらソウニャはしっかりしている。

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