夜を駆ける
普段出かけないような山奥まで来て、はしゃいで事故にでもあったりしたらハンやあたしが責められる。
きり、と爪を噛む。これ以上ハンに当たれなくて、あたしは爪にあたる。
「大丈夫だよシュウメイ。オレも気をつけるし、子供を数人づつ組ませて行動させたらいい。ソウニャだっているし、もう少し先まで行こう」
先頭に立つハンを横目に、子供の列を見ていると前の子供にぴったりと張り付いて隠れるようにスンホンがやって来た。
無言で睨みつける。
怯えたままのスンホンは伏し目がちに、ちらりとこちらを見て通り過ぎる。
苛立ちからまた爪を噛んだ。
儒教が敬われているここでは、年上には従うことだと教えられる。
今すぐにでもスンホンを追いかけて首根っこを捕まえて問いただしてやりたい。何を隠しているんだ、何をするつもりなんだと体を揺さぶって聞き出したい。
ハンに邪魔されたことが悔しい。
烈火のような怒りに身を焦がしながらも、ふと見る深々とした森林は赤や緑の葉を茂らせて静寂に包まれていた。
きり、と爪を噛む。これ以上ハンに当たれなくて、あたしは爪にあたる。
「大丈夫だよシュウメイ。オレも気をつけるし、子供を数人づつ組ませて行動させたらいい。ソウニャだっているし、もう少し先まで行こう」
先頭に立つハンを横目に、子供の列を見ていると前の子供にぴったりと張り付いて隠れるようにスンホンがやって来た。
無言で睨みつける。
怯えたままのスンホンは伏し目がちに、ちらりとこちらを見て通り過ぎる。
苛立ちからまた爪を噛んだ。
儒教が敬われているここでは、年上には従うことだと教えられる。
今すぐにでもスンホンを追いかけて首根っこを捕まえて問いただしてやりたい。何を隠しているんだ、何をするつもりなんだと体を揺さぶって聞き出したい。
ハンに邪魔されたことが悔しい。
烈火のような怒りに身を焦がしながらも、ふと見る深々とした森林は赤や緑の葉を茂らせて静寂に包まれていた。