王様とうさぎさん
「式は月曜じゃなくていいから。
 みんなには俺が話す」

 そのとき、

「駄目よ」
と言う声がした。

 また清香が横やりを入れてきたのかと思ったが、允まで振り向いている。

 生きた人間の声のようだった。

「結婚はタイミングよ。

 結婚に理性はいらないわ。

 あったら、出来ないのよっ。

 さあっ。

 あんたも一緒に流されるのよ、莉王っ!」

「……潮」

 背後にいつの間にやら、潮が立っていた。

「何処のバカップルが手を繋いで歩いてるのかと思って見てたら、あんたたちじゃない。

 立ち止まったら、話が流れちゃうわよ。

 私はこの流れに乗って、結婚するわよ、莉王っ」

「は?」
< 415 / 508 >

この作品をシェア

pagetop