王様とうさぎさん
「なんでもいいや。
 呼べたら呼んでね。

 仕事休めないかもしれないから、式は夜がいいわ。
 じゃあねー」

 腕を組んでというか、彼氏を引きずって、潮は行ってしまう。

 いっそ、清々しいほど勝手だ、と思いながら見送っていた。

 毒気を抜かれたような顔をしていた允が、しばらくして言う。

「ちょっと、マンションに寄って帰らないか?」

 莉王の顔を見、いや、身構えるな、と言う。

「話があるんだ。
 母さんにも言ってある」

 そう允は言った。

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