王様とうさぎさん
眩しい光に目を覚ますと、何故か枕許に允が正座していた。
莉王は寝たまま、目をしぱしぱさせながら言う。
「今度はなんの霊かと思いましたよ」
いつもの先祖の間だ。
何故、そんなところに座っている、と思いながら、允を見上げていた。
「なにかいい顔をして寝ていたが」
と言ってくる。
「……いい夢見てたんです。
いい夢かな?
清香さん、気持ちの整理がついたみたいですよ」
と目をこすると、
「眠そうだな」
と言うので、まあ、少々、と答えた。
このところの疲れが出ているのと、遠方から会社に通っているせいで、毎日、起きるのが早いからだ。
寝るのは、帰りにマンションに寄ったり、此処で呑んだりするせいで、いつも遅いし。
うう。
これでは実家に居た頃と変わらない、と思いながら、半身を起こして、欠伸をしていた。
「まあ、今日で終わりだからな、此処から通うのも」
と允が言う。
お義母さんにも随分迷惑かけたよな、と思った。
自分たちが眠いということは、由莉子はもっと眠いだろうに。