キミがこの手を取ってくれるなら
晴れの日は、腫れの日
カーテンの隙間から、朝の光が射し込んでいる。
その眩しいくらいの日差しに顔をしかめながら、私はゆっくりと目を開けた。
目が重たいことに気づき、テーブルの上の鏡を手に取ると、ありえないくらい目蓋が腫れた自分の顔が映しだされた。
「…やっぱりこうなっちゃったか…」
ため息を吐き、カーテンを開ける。
空の色はまるで絵の具を塗ったように真っ青だった。
それは、カレンダーの土曜日の色のように現実味のない、嘘みたいな青。今日これから行われようとしていることも、その主役になれなかったことも、現実ではないような気がして、全部嘘だったらいいのにな、と思う。
本日は7月7日土曜日。快晴。
幼なじみの小山 奏一(こやま そういち)くん。奏ちゃんの結婚式。
そして、私の初恋と20年の片想いが終わりを迎えた日……
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