キミがこの手を取ってくれるなら

「奈子は首筋が弱いもんな。覚えてるか?髪の毛切った日、俺のとこに来ただろ?」

「ちょっと手が首筋に触っただけだったのに、色っぽい声出すから、理性が飛びそうになったよ」


そう言いながら首筋を唇ですーっとなぞり、耳朶を軽く食む。


「こうして、抱き締めてめちゃくちゃにしてやりたい、って思ってた」

と耳に息を掛けるようにして囁いた。


そういえば、あの時キスされるかと思ったんだっけ…


抵抗する力はとっくに抜けていた。


そのまま、じゅんたは耳朶にチュッと音を立てて口づけすると、「ベッドへどうぞ。お姫様」と言って私を優しく抱き抱えた。


私は、ずっと夢見ていたお姫様になれるらしい。このちょっと意地悪な人のお姫様に。


じゅんただけのお姫様になれて嬉しい。

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