キミがこの手を取ってくれるなら

そのまま、抜かりなく首筋のホックを外して、ファスナーを一気に引き下ろした。

露になった背中に口づけしながら、ブラジャーのホックも外される。

「奈子、こっち向いて」

身体を引き寄せられ、向き合った私達は、そのままキスをした。

だんだんと角度を変えて、深くなっていくキスにどんどん体温が上がっていく。


肩に置かれた手がゆっくりと動く。
ワンピースの上を大きな手が這い、胸に触れる。服の上から胸を触られると、もどかしい感触に、身体がさらに熱くなったような気がした。


その間にも、キスは唇から額、目蓋、頬、首筋、肩、と私の形を確かめるように落とされていく。

ワンピースを脱がされて、胸元にキスがたどり着いた。ブラジャーをずらされて、先端を口に含まれると、内に籠った熱が一気に解放された気がした。


「はぁ…っ……あっ、あっ」


熱は喘ぎとなって絶え間なく口から溢れ出る。


こんな声…自分の声じゃないみたいだ。
恥ずかしさに真っ赤になりながらも、声を出すことを抑えることができない。




< 171 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop