キミがこの手を取ってくれるなら

それから、じゅんたは長い時間をかけて丁寧に私の身体を解してくれた。
緊張を取り払うように、ゆっくりと。


やがて痛みは少しずつ、じわじわとした快感に変わり、また燻っていく熱は喘ぎとなって口の中から溢れ出した。

「あっ、あっ……あんっ」

声が止まらない。自分で自分をコントロールできない。こんな自分は今まで知らなかった。
じゅんたの手で、指で、私は全く新しい自分に造り変えられていく。


身体が一際大きく跳ねた。やがて、やって来た大きなうねりに、意識が飲み込まれていくのが分かった。

「何で、お前、そんなに可愛いんだよ。」
たまんねぇな。そんな、じゅんたの声が聞こえたような気がした。


***

一瞬、意識を飛ばしていたらしい。
気がつくと、じゅんたの腕の中にいた。
優しく髪の毛を撫でている。
じゅんたは服は着たままで、自分だけ裸なのが何だか恥ずかしかった。

「…ん、気がついた?」

「うん。」

「ごめん。ちょっと…無理させたかもな。…疲れたなら、今日は止めようか?」

「えっ、だって…じゅんた…は?」

「俺よりも、奈子の身体のほうが、大事。大切にしたいんだよ。」

私の身体を心配してくれるのは分かっていたし、正直疲れてない訳ではなかったけど、このまま止めて欲しくは無かった。

もっと触れ合いたい…ひとつになるまで。
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