キミがこの手を取ってくれるなら

そんなやり取りに照れながらも、心の中では溢れるほどの喜びを感じている。

そんな自分のことも、私を受け入れて変えてくれたじゅんたのことも、とてもいとおしいと思う。


熱い唇が、頬に、首筋にと降ってくる。

くすぐったさにふふっと微笑むと、その微笑みを掬うように、唇にキスを落とされた。

そのまま、キスはだんだん深くなり、舌を絡め取られて、私の体温は上がっていった。


キスで上がった体温を冷ますように、そっと私の手に、じゅんたの冷たい手が触れる。


私は、この手を持つあなたのことが、とても、とても好きだ。


だから、この手をずっと繋いでいてね。


指先を絡めて、お互いの体温を確かめあって、伝えて、分かち合う。


私はあなたに…


あなただけに……


何度も何度も繰り返し恋をするから。



〈奈緒子side***end〉
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