キミがこの手を取ってくれるなら

「なんだ…」拍子抜けした私は、ぐったりと椅子にもたれた。

「でも…じゅんたと付き合ってたのは…ほんとうなんだよね?」

「そうみたいだな。付き合ったのは大学入ってからで、すぐに別れたらしいけど。
ちょうどあの頃、俺は奈緒にも純にも会ってなかったし、むしろ避けてた。2人も会ってなかっただろ?」

私はうなずいた。

「大学入って最初の…秋だったよな?紫がたまたまうちの店に来てさ、久しぶりだからっていろいろと話しをしたら、純と崎山が付き合ってたって話と…それと、奈緒にも付き合ってた奴がいたって聞いたんだ。びっくりしたよ。」

それを聞いて私も驚いた。
奏ちゃんも私に彼氏がいたこと知ってたんだ…


「俺が離れたら、2人がうまくいくって思ってたんだ。だから純も奈緒も2人して何やってんだよ、って最初は思った。でも、そもそも俺が離れたことが原因だったんじゃないかと思って…。そう思ったら何とかしてやりたくなったんだ。」
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