キミがこの手を取ってくれるなら
「3人の間に入ることなんてできなかったもん。」紫ちゃんまでしみじみと言いはじめる。
私の頭の中は、既にはてなでいっぱいだ。
「だって…だってみんなで遊んでたじゃない。奏ちゃんもじゅんたも友達いっぱいいたでしょ?」
「…奈緒子ちゃん、何にも気づいてなかったの?」紫ちゃんは、呆れたように言ったけど、私は何を気づいてないのか、全く分からない。
そんな私の様子を見かねて、奏ちゃんが説明するように私に教えてくれた。
「女はともかく、男どもは、みんな奈緒目当てで近づきたかっただけ、ってこと。」
「……はぁ?」私は思わず、間の抜けた声を出してしまっていた。
「ほんと、自覚がないところが姫の面白いとこだよなー。会社でも、何人振り回されて泣いていることやら…」
ちょ、ちょっと待って!
「わ、私、モテませんよ?」
私の言葉に、その場にいた全員が笑いだした。
「出た、天然!」「魔性だわねー。」
「むしろ、ここまでいくと計算ですか?」
「いや、昔からこうだから。」
口々に勝手なことを言いながら。
そういえば、はじめてここに来たときもこんな話になったような……デジャヴだ…