素直になれないけど､､､

入学式

校舎の裏に桜の木が並ぶ私はその中のある木の前でじっと桜を見つめる。
この木は多分並木の中でも一番大きいだろう。
微かに聞こえてくる校長先生の声を耳にしながら目を閉じる。
今は入学式の真っ最中。
私はこの桜の木を目当てにこの学校に入学した。もっと正確に言うならば、、、
ダンっという大きな音が響いた。
(...入学式の真っ最中。他の生徒がいるはずないのに、誰か居たのかな？)
辺りを見回したが誰もいない。
音の鳴った方に私は歩いた。
（確か、ここからだったよね？）
そう思い、覗こうとした瞬間
後ろから大きな手が伸び
私の口を塞いだ。
私は驚いて後ろに振り向いた。
そこには金髪に近い髪色の男が立っていた。
｢誰ですか？｣
私は一生懸命平然を装いながら訪ねた。
彼はニコッと笑い手を握るなり、
｢走れる？つか、逃げるぞ｣
と言い走り出した。