今、ここであなたに誓わせて
16才/29才
◇ ◇ ◇
女子高生姿を拝みたいと懇願して無事近くの公立高校に上がってくれたのだが。拝みたかった女子高生姿とはちょっとかけ離れていて……。思春期を終えて尚更なる心労は増していた。
りん16才、俺が29才になった初夏。
仕事の休憩中、事務所のテレビに流れるニュースに、思わず目が釘付けになる。
その名も『援助交際をする女子高校生の闇』、というもの。
加工された宇宙人声でモザイクをかけられながらも、いかにも遊んでそうな女子高生がインタビューを受けているところから始まった。
『大体、一回2~3位。相手は出会い系サイトで探すかな』
『それは最後までするの?』
『もちろん。まぁ時々5000円位でパンツ売ったりもするけど』
『へぇー』
『100均で買ったのが5000円に化けるんだから良い商売だよねー』
凜花と同じ位の年齢の子達の間で、そんなことが横行していることにショックで唖然としてしまう。
「昼間からすげぇ内容だな。篤司、息してるか、おい」
先輩に肩をゆすられはっとする。その横で同僚の川崎もフォローしてくれた。
「こういうことやる子はいてもさすがに凜ちゃんはやらないよ」
「……凄いですね、やっぱり携帯持たせない方が良いのかな。昔だったら絶対こんなことなかったじゃないですか」
「あー、でもないと困るだろ。凜ちゃんの周りだって皆持ってるんだろうし」
「犯罪にだけ巻き込まれないと良いけどな」
なんて話していたところ、渦中の人物の登場に一同口を噤む。今日は午前中だけで学校が終わるから、俺の職場に立ち寄ると言っていたのだ。
「お疲れ様でーす」
明るい声で慣れた様子で事務所へ入ってくる。高校に入ってそれなりに、いやそれ以上に色気づき始めた凜に、顔を合わせる度に言うセリフは毎回同じようなものになっていた。
「……凜、スカート短すぎ」
女子高生姿を見せて欲しいとは言ったが、描いていたものとはだいぶかけ離れたものだった。正直、この数年の間で凜の中でどんな気持ちの変化があったのかまったく考えもつかない。本当に子どもの成長の早さには常々驚かされるし、今になっても驚きの連続。
「そんなことないよ、皆これ位だよ?」
「だめだ、膝下に下ろしなさい」
「もう切っちゃったからできませーん」
「はぁ?」