~SPの彼に守られて~
 助手席のシートに身体を深く沈め、深いため息を吐いた。

 今日は見知らぬ男たちに追いかけられ、警察に駆け込んでみるも相手にされず、株式会社ホークスを紹介されて今に至り、たった数時間で心身共に疲れが溜まっているのか、思考がボーッとして目の前が霞んでくる。

 私を追いかけてきた男たちは、明日もつけ回してくるのかな?どうして?何で私が追いかけられなくちゃいけないの?明日も、明後日も…、ずっとずっと追いかけられる生活になってしまうの?

 見知らぬ男たちに追いかけられて走り疲れているし、早くシャワーを浴びてベッドに入りたいよ。

「早く家に着きた…い…」
「もうすぐだ」
「分かっ…、てま…すよ……」

 途切れ途切れになりながら返事をするけれど、いっそのこと追いかけられたのが夢であって欲しくて、瞼を閉じたら身体の力がすぅっと抜けていく。

「俺が護るから、信じろ」

 意識が途切れる瞬間、鷹野さんの声が聞こえたような気がして、頬に温もりを感じた。
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