~SPの彼に守られて~
「おい、着いたぞ」
「んっ…」

 鷹野さんの声がして瞼を開けると、普通乗用車は私が住んでいるアパートの前に停まっていて、白鳥さんも車の外にいる。

 いつの間にか寝ちゃってたんだ…、なんとかしてアパートまで帰ってこれたのが嬉しい。

 鷹野さんが運転手席から降りて助手席のドアに回り込み、ドアを開けてくれたので降りると、遠くから一台の黒塗りの乗用車が走ってきた。

 黒塗りの乗用車が私たちの傍に停まると、ドアが開いて続々と黒い覆面マスクを被った人物達が降りてきた。

「な、何?この人たち?!」
「お前は前に出るな。スワン、ちゃんと周囲を確認してたのかよ」
「抜かりは無いですが、先ずはマルタイの安全が先決です」
「分かってる」

 鷹野さんたちは私の前に立つとスーツのポケットから銀色の筒を取り出して軽く振り、銀色の筒が棒状に変化した。

「その女を此方に渡して貰おうか」
「はい、そーですかと言えるかよ」
「ちっ、やれ!!」
「夜中に騒ぐのは好きじゃないですが、仕方ないですね」

 鷹野さんは覆面マスクを被った人物は挑発するし、白鳥さんは至って冷静で、2人は相手の拳を銀色の棒で防御しながら隙を見て捩じ伏せていく。

 す、凄い。鷲宮さんが言っていた通り、鷹野さんと白鳥さんって強いんだ。

 2人の強さが凄過ぎて、覆面マスクたちはどんどん倒れていく。
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