~SPの彼に守られて~
 鷹野さんは棒を左手で握り、右手で部屋の鍵を玄関の施錠に差し込み、施錠を解いた。

「先に入るぞ」
「はい」

 鷹野さんが先に玄関に入り、部屋を見渡してから靴を脱いであがると、私は言われた通りに玄関の所で待つようにした。

 私の部屋の間取りはごく一般的な1DKで、キッチンは狭いけど、その分の洋室の広さはかなりあるので机やベッドの他に収納BOXを並べて、インテリアには拘りをだしている。

 鷹野さんは不審な物がないかキッチンの戸棚、ユニットバスがある浴室、洗面台の棚を開けながら確認していくのを見て、私は今まで部屋に男性を招いたことがないので、そわそわしてきた。

 すると鷹野さんが収納BOXの1つに手をかけようとしたので、私は待ったをかけるように声を出した。

「あっ、そこは駄目です!そ、そ、その収納BOXには、私の下着が入っているんです」

 頭では警護の為と理解は出来るけど、世の中の女性なら下着が入っている所に男性の手が入るなんて嫌だと思う。

 それに下着のデザインは可愛いとは言えない物がほとんどだから、見られるのは嫌!! ぜぇ~ったいに嫌!!!

 鷹野さんは収納BOXに触れるのを止めると、私をジロッとみる。

「あのな、こっちは万が一を考えて調べてるんだから、いちいち下着ごときで騒ぐなよ」
「ごときって!!下着の所だけは、私が確認します」

 靴を脱いで収納BOXの所にきて、鷹野さんに中が見えないようにしながら中身をみると、背後から鷹野さんの笑う声がした。

 もう…、鷲宮さんに下着類は触らないようにって、提案しよう。

「中に変わった物は無かったか?」
「えっと…、そのような物は入ってないです」

 私は下着が入っている収納BOXの中に手を入れて、下着以外の物が入ってないか触ってみたけれど、それらしき物は入ってなくてホッとする。
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