~SPの彼に守られて~
「君たち、早く乗らないと遅刻するよ」
いつまでもエレベーターに乗らないでいる私たちに声をかけてきたのは、私が配属している経理課の先輩である"龍崎透"(りゅうざきとおる)さんで、龍崎さんは私より4つ年上の先輩で、優しくて見た目もかっこよくて、角井百貨店の女子社員からはとても人気な人だ。
「龍崎さん、今度受付のメンバーでお食事に行きませんか?後輩たちが、龍崎さんとお話ししたいみたいで」
「うーん、僕だけ受付の皆さんの素敵な笑顔を独占する訳にはいかないから、経理課の男性たちも一緒にね」
「もう…、龍崎さんは上手いこと言って。次もめげませんからね」
龍崎さんは大野先輩からのアプローチを笑顔で上手くかわし、大野先輩は先にエレベーターに乗っていき、私たちは次のエレベーターに乗ることにした。
「さっき2人の会話を聞いちゃったんだけど、吉野さんって恋人がいるんだ?」
「いいえ、違いますよ!これには理由があって、その…、えっと…、恋人ではないのは本当なんです」
龍崎さんにも鷹野さんのことを聞かれ、なんて答えていいか。
「無理に答えなくていいよ。いきなりこんなことを聞いて、ごめんね」
「そんな…、龍崎さんが謝らなくていいんです。私こそ、説明が上手く出来なくてすいません」
エレベーター前で謝りあうと、顔を見合わせてぷっと笑う。
龍崎さんの相手に不快に思わせない気遣いって素晴らしいし、だからこそ沢山の社員に人気なんだよね。
私たちはエレベーターに乗り、経理課がある7階へ向かっていった。
いつまでもエレベーターに乗らないでいる私たちに声をかけてきたのは、私が配属している経理課の先輩である"龍崎透"(りゅうざきとおる)さんで、龍崎さんは私より4つ年上の先輩で、優しくて見た目もかっこよくて、角井百貨店の女子社員からはとても人気な人だ。
「龍崎さん、今度受付のメンバーでお食事に行きませんか?後輩たちが、龍崎さんとお話ししたいみたいで」
「うーん、僕だけ受付の皆さんの素敵な笑顔を独占する訳にはいかないから、経理課の男性たちも一緒にね」
「もう…、龍崎さんは上手いこと言って。次もめげませんからね」
龍崎さんは大野先輩からのアプローチを笑顔で上手くかわし、大野先輩は先にエレベーターに乗っていき、私たちは次のエレベーターに乗ることにした。
「さっき2人の会話を聞いちゃったんだけど、吉野さんって恋人がいるんだ?」
「いいえ、違いますよ!これには理由があって、その…、えっと…、恋人ではないのは本当なんです」
龍崎さんにも鷹野さんのことを聞かれ、なんて答えていいか。
「無理に答えなくていいよ。いきなりこんなことを聞いて、ごめんね」
「そんな…、龍崎さんが謝らなくていいんです。私こそ、説明が上手く出来なくてすいません」
エレベーター前で謝りあうと、顔を見合わせてぷっと笑う。
龍崎さんの相手に不快に思わせない気遣いって素晴らしいし、だからこそ沢山の社員に人気なんだよね。
私たちはエレベーターに乗り、経理課がある7階へ向かっていった。