~SPの彼に守られて~
頭の中でやることリストを思い浮かべていたら普通乗用車が止まり、前を見ると信号が赤になっていて、鷹野さんが私の方に顔を向けた。
「昨日は寝れなかったのか?」
「ちゃんと寝れましたよ?」
「ここ、すげぇクマになってる」
鷹野さんは左手を伸ばして私の右頬に手を添えて、やや太い親指で右目の目の下をなぞる。
出発する前に部屋でクマをカバーするクリームを念入りに塗った筈なのに、それでも分かっちゃうくらいクマが酷いのかな。
というか、鷹野さんの大きな手がずっと頬に添えられていて、その部分が徐々に温かくなってきた。
大きな手をずっと添えて欲しくて、離さないで欲しくて、自分の右手を鷹野さんの右手に重ねようと持っていく。
「不細工な面してっと、誰も寄りつかねぇぞ」
「は?」
鷹野さんは頬に添えていた左手をぱっと離すと私の頭をくしゃくしゃと撫で、ハンドルを握りなおして、普通乗用車が走り出した。
不細工って…、すっごくムカつく!ちゃんとメイクをしたし、誰も寄りつかないって言い方をしないでほしいし、せっかく髪を整えたのにぐちゃぐちゃにしちゃうし……、ほんの数秒前まで手を重ねようとしていた自分が馬鹿みたい。
「辰巳さんのように完璧じゃなくて、すいませんね!」
嫌みをたーっぷりと込めて言い放ち、鷹野さんの方なんて向くもんか!!と顔を左側にそむけ、隣では鷹野さんの笑い声がした。
「昨日は寝れなかったのか?」
「ちゃんと寝れましたよ?」
「ここ、すげぇクマになってる」
鷹野さんは左手を伸ばして私の右頬に手を添えて、やや太い親指で右目の目の下をなぞる。
出発する前に部屋でクマをカバーするクリームを念入りに塗った筈なのに、それでも分かっちゃうくらいクマが酷いのかな。
というか、鷹野さんの大きな手がずっと頬に添えられていて、その部分が徐々に温かくなってきた。
大きな手をずっと添えて欲しくて、離さないで欲しくて、自分の右手を鷹野さんの右手に重ねようと持っていく。
「不細工な面してっと、誰も寄りつかねぇぞ」
「は?」
鷹野さんは頬に添えていた左手をぱっと離すと私の頭をくしゃくしゃと撫で、ハンドルを握りなおして、普通乗用車が走り出した。
不細工って…、すっごくムカつく!ちゃんとメイクをしたし、誰も寄りつかないって言い方をしないでほしいし、せっかく髪を整えたのにぐちゃぐちゃにしちゃうし……、ほんの数秒前まで手を重ねようとしていた自分が馬鹿みたい。
「辰巳さんのように完璧じゃなくて、すいませんね!」
嫌みをたーっぷりと込めて言い放ち、鷹野さんの方なんて向くもんか!!と顔を左側にそむけ、隣では鷹野さんの笑い声がした。