~SPの彼に守られて~
◇episode01
 私は護って欲しいSPを選ぶために改めて5人のSPの顔を見渡し、この人なら護ってくれるよね。

「辰巳さんでお願いします。私を護って下さい!!!」
「嫌よ。私、女は護らない主義なの。他のSPを指名してちょうだい」

 同じ女性同士なら何かと気を使わないで済むし、その方が良いかなと思ったのに、女は護らない主義ってどういうこと?!

 鷲宮さん以外の他のSPたちは、辰巳さんの言動にやれやれと呆れているし。

「俺にしておけば?千明ちゃんは可愛いし、護りがいがあるんだよね」

 鮫島さんが片目をパチッとさせてアピールをしてくるけど、やっぱりチャライ……。

 白鳥さんを見ると視線をプイっと逸らすし、鷹野さんは鮫島さんの態度にうんざり気味で、この中でまともな鷲宮さんを選んだ方が安全かな?

「皆さんに護ってくれないと困るんです。レオだとか、ドラゴンだとかに狙われているんです!」
「何?!レオだと?」
「は、はい…、そう言っていました」

 私が『レオ』という名前を言うと鷹野さんは眉間に皺を深く寄せ、鷹野さんと『レオ』という人物には何の関係なんだろう。

「鷲宮さん、俺がコイツの"同行警護"を引き受けます」

 鷹野さんが私の警護に名乗り出てきたんだけど、コイツ呼ばわり?

「コイツじゃなくて、吉野千明という名前ですけど」
「お前は黙っていろ。鷲宮さん、いいですよね?」
「話を勝手に進めないで!」

 コイツからお前に変わったけど、鷹野さんって自分勝手な性格なのかな?こんな人に護ってもらって大丈夫なの?

「鷹野は優秀なSPですので、最後まで吉野様をお護りしますのでご安心下さい」
「はぁ…」

 もし鷹野さんと合わなければ、鷲宮さんを指名すればいいよね。
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