~SPの彼に守られて~
「スワン、次はどっちだ?…―分かった、こっちだな」
私たちはインカム越しに白鳥さんの指示に従いながら廊下を走り続け、ようやく非常階段へ通じるドアが見えてきた。
「あそこの非常階段で、地下の駐車場まで降りるぞ。それまでまだ走るが、いけそうか?」
「な、何とか大丈夫です」
正直走り続けているのは辛いけれど、今はそうも言っていられないから大丈夫と答える。
「これが終わったら、また2人であの夜景を観に行くぞ」
「……はい!」
"2人であの夜景を観に行く"……その言葉で辛さが吹き飛び、お互い手を強く握りあって非常階段を下り始めた。
ノンストップで階段を下っていくとぐるぐると目が回りそうだけど、階数表示の数字が減っていくのを何度も見て、ようやく地下を表す"B1"とあると、ようやく地下に辿り着くんだ!
鷹野さんが地下駐車場に通じるドアを開け、しんと静まっている駐車場を見渡す。
「後は鷲宮さんが手配した車を待つだけだ」
「ようやく帰れますね」
お互い額にものすごい量の汗を流して、乱れた息を整えながら笑い、車が来るのを待つ。
「それはどうかな?」
振り返ると龍崎さんが立っていて、手にはあの黒い物体が握られて、それは鷹野さんに向けられていた。
さっきの覆面マスクの男が握っていた鋭利な物よりも、龍崎さんが手にしているものが一番危険で、下手したら鷹野さんは命を落としてしまうかもしれない。
「彼女を渡すんだ」
「こっちだ!」
鷹野さんは私の手を引いて身を寄せれそうなコンクリートの柱にめがけて走りだし、その間にも龍崎さんは何度も撃ち続け、それに当たらないように体勢を低くしながら何とか柱に辿り着いて、その陰に身を寄せた。
私は早く車がここに来てと心の中で何度も願っていると足音が近づいてきて、鷹野さんは一息つくと柱から身を乗り出す。
私たちはインカム越しに白鳥さんの指示に従いながら廊下を走り続け、ようやく非常階段へ通じるドアが見えてきた。
「あそこの非常階段で、地下の駐車場まで降りるぞ。それまでまだ走るが、いけそうか?」
「な、何とか大丈夫です」
正直走り続けているのは辛いけれど、今はそうも言っていられないから大丈夫と答える。
「これが終わったら、また2人であの夜景を観に行くぞ」
「……はい!」
"2人であの夜景を観に行く"……その言葉で辛さが吹き飛び、お互い手を強く握りあって非常階段を下り始めた。
ノンストップで階段を下っていくとぐるぐると目が回りそうだけど、階数表示の数字が減っていくのを何度も見て、ようやく地下を表す"B1"とあると、ようやく地下に辿り着くんだ!
鷹野さんが地下駐車場に通じるドアを開け、しんと静まっている駐車場を見渡す。
「後は鷲宮さんが手配した車を待つだけだ」
「ようやく帰れますね」
お互い額にものすごい量の汗を流して、乱れた息を整えながら笑い、車が来るのを待つ。
「それはどうかな?」
振り返ると龍崎さんが立っていて、手にはあの黒い物体が握られて、それは鷹野さんに向けられていた。
さっきの覆面マスクの男が握っていた鋭利な物よりも、龍崎さんが手にしているものが一番危険で、下手したら鷹野さんは命を落としてしまうかもしれない。
「彼女を渡すんだ」
「こっちだ!」
鷹野さんは私の手を引いて身を寄せれそうなコンクリートの柱にめがけて走りだし、その間にも龍崎さんは何度も撃ち続け、それに当たらないように体勢を低くしながら何とか柱に辿り着いて、その陰に身を寄せた。
私は早く車がここに来てと心の中で何度も願っていると足音が近づいてきて、鷹野さんは一息つくと柱から身を乗り出す。