~SPの彼に守られて~
◆episode08
カチッという音がしてそっと瞼を開くと体はどこも痛くなくて、鷹野さんを見上げてみると、当の鷹野さんも変わった様子がない。
「何処も痛くないか?」
「はい、大丈夫です」
2人で龍崎さんの方を向くと、龍崎さんは手にしている黒い物体の引き金を何度も引いて、そこからは何も発されずにカチっという音がしていた。
「こんな時に!」
龍崎さんは黒い物体をコンクリートの床にたたき落として、スーツの内ポケットに右手を入れて取りだしたのは、覆面マスクの男と同じ銀色に輝く鋭利な物だった。
「千明は柱の陰に隠れていろ!」
「は、はい!」
鷹野さんが抱きしめていた腕を離すと、私はすぐ柱の陰に回ってそっと頭だけ出して様子を見守った。
「そんな物は怖くねぇよ!」
鷹野さんは龍崎さんとの距離を詰めると、鋭利な物を握っている龍崎さんの右手首を自身の右手で掴んで捻り上げ、龍崎さんの表情は徐々に苦痛を帯び始めた。
「っ、離せ!」
「離す奴がどこにいるんだよ!」
鷹野さんは左手で鋭利な物を奪い取ってそれを遠くに投げると、龍崎さんは腕を振るって鷹野さんから逃れ、テレビで見たことのある格闘技の試合開始前に見せるポーズをすると、鷹野さんも警護で使う銀色の棒は使わずに龍崎さんと同じポーズをとった。
「……」
「……」
2人ともポーズを保ったままで無言で睨みあい、私はどうか、どうか鷹野さんが怪我をしないようにと、神様に祈るように手を組んだ。
「何処も痛くないか?」
「はい、大丈夫です」
2人で龍崎さんの方を向くと、龍崎さんは手にしている黒い物体の引き金を何度も引いて、そこからは何も発されずにカチっという音がしていた。
「こんな時に!」
龍崎さんは黒い物体をコンクリートの床にたたき落として、スーツの内ポケットに右手を入れて取りだしたのは、覆面マスクの男と同じ銀色に輝く鋭利な物だった。
「千明は柱の陰に隠れていろ!」
「は、はい!」
鷹野さんが抱きしめていた腕を離すと、私はすぐ柱の陰に回ってそっと頭だけ出して様子を見守った。
「そんな物は怖くねぇよ!」
鷹野さんは龍崎さんとの距離を詰めると、鋭利な物を握っている龍崎さんの右手首を自身の右手で掴んで捻り上げ、龍崎さんの表情は徐々に苦痛を帯び始めた。
「っ、離せ!」
「離す奴がどこにいるんだよ!」
鷹野さんは左手で鋭利な物を奪い取ってそれを遠くに投げると、龍崎さんは腕を振るって鷹野さんから逃れ、テレビで見たことのある格闘技の試合開始前に見せるポーズをすると、鷹野さんも警護で使う銀色の棒は使わずに龍崎さんと同じポーズをとった。
「……」
「……」
2人ともポーズを保ったままで無言で睨みあい、私はどうか、どうか鷹野さんが怪我をしないようにと、神様に祈るように手を組んだ。