~SPの彼に守られて~
 名残惜しそうに唇が離れると、鷹野さんは少しふらついたので慌てて背中に手を添えて体をゆっくりとベットに倒すと、鷹野さんはふぅっと息を吐いた。

「ほら、まだ傷が治っていないので横になってください。また明日お見舞いに来ますから」
「分かった」

 鷹野さんは少し笑ってからゆっくりと瞼を閉じると、寝息をたてはじめた。

「早く退院して、私を護って下さいね」

 規則的な寝息をたてる鷹野さんの顔に自分の顔を近づけ、そっと唇にキスをした。

 唇が離れても鷹野さんは起きる様子もなく、余程疲れもあったんだろうなぁ。

 鷹野さんから離れて音を出さないようにドアを開けて個室を出たら、白鳥さんがドアの横で立っていた。

「白鳥さん、お待たせしました」
「随分と話しこんでいたようですね」
「あ…、その…すいません」
「この後は鷹野の家に送ることになっていますので、移動を始めます」
「お願いします」

 きっとドアの前で待っていた白鳥さんには会話を聞かれちゃったんだろうな…、と反省をしながら白鳥さんと共に駐車場に向かい、一路鷹野さんのお父さんが経営するお店に戻っていった。
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