私は彼氏の親友と浮気した。
見たことのある壁だ。
起き上がるとそこは明らかうちに似ている造りや壁だが家ではない。
だってここ八代ん家だったから。
「や、八代?」
咄嗟に浮かんだ名前を私は呼んだ。
「あ、陽芽起きたか。」
リビングに繋がる垂れ幕のかかったドアから八代の顔が見えた。
少しホッとした。
「…………?」
「あぁ、ここ俺の部屋。
お前うちの前で倒れてたから。
全くビックリしたぜ。」
そうだ。
私、私………
「どうした、熱でもあるのか?」
熱を測ろうと八代は私のおでこに手を当てようとした。
「やっ!」
私はその手を避ける。
「え あぁ、熱ね。大丈夫、大丈夫!
………ご……ごめん…」
「は?陽芽?」
何言ってたんだろ、私。
「…あ、ごめん。
ありがとう、そろそろ帰るね!」
「え、あぁ。
また明日な!」
「…うん。…また……明日…」
明日、弘人は来ないのに。
私のせいで。