ふりむいてよキャプテン
「ラストおねがいします!」

「声が小さい!」

「ラスト!おねがい!しまっす!!」



......あ、このやりとりは絶対やらなきゃいけないんだね。


鼻血を出しながらがんばるいつき先輩が、ようやくラスト百球目のボールをとりおえた時。

いつき先輩フラフラ、私暑さでのぼせそうで。
元気なのは口の端をニヤつかせながら、ノックを打っているピチピチTのみだった。



「ありがとうございましたっ!」

「よし。おい、後ノック受けてないやつ誰だ?
西川、お前まだだろ。俺が打ってやる」



いつき先輩の百本ノックが打ちおわると、すぐに隣でノックを打っていたにっしーに目をつけ、そちらに移動する先生。

げ、元気ですね......。



「宮崎、いつきに氷もっていってやれ。
ボールが当たったんじゃないのか」



鼻血が出てたことには一応気づいてたんだ。
すぐに、はいと返事をして、体育教官室に氷をとりにいく。
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