ふりむいてよキャプテン
「あついよね。
夏は海かプールで練習だったらいいのにね」


少しでもにっしーの熱を冷まそうと、うちわで風を送る。

ああ、でも、海だったら、よけい日焼けしてにっしー真っ赤になっちゃうかな。


言ったあとでしまったと思ったけど、にっしーは私の発言を気にとめることもなく、だよねーなんていつものノリで笑う。



「ありがとう。
このうちわ部室の?」

「あ、ううん、私の。
駅で配ってたんだよ。

そこの川の近くで花火大会あるんだって」



にっしーが私のうちわに興味を示したので、あおぐ手を止めて、はいとそれを渡す。



「ああ、これね。
先輩が彼女といくって言ってたな」

「そうなんだ、いいなー。
私も去年は友達といったんだけどな」



今年は部活ばっかりで、夏らしいこといっこもしてないとぶつぶつ言ってると、なぜかにっしーは一瞬目を泳がせてから。
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