ふりむいてよキャプテン
「じゃあ......さ、行ってみる......?」

「......へ?」



さっき水道でびしょ濡れになった坊主頭をタオルですっぽりとくるんでいるにっしー。

そのタオルからちらっと目だけで、私の方を見た。


それより、いま......?



「あー、ほら、あさっては部活も午後からだし、さ。
明日行かない?」



うちわに書いてある花火大会の開催日は、今日と明日。

あさっては午後練だから、そんなに朝早くないし、たしかに明日の夜なら出かけても練習にも影響なさそう。

そっか、そうだよね。
部活があるから、夏らしいことできないと思いこんでたけど、部活の後に出かけたらいいんだ。



「うん、いきたいっ!
他には誰誘う?」

「......え?」

「ん?」



なぜか、黙りこんでしまうにっしー。

この沈黙なんだろう。


まさか、二人で行くつもりだったとか......?
いやいや、さすがにそれはうぬぼれすぎだよね?
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