ふりむいてよキャプテン
「ま、まあ、そうだよね。
絶対ナシとは言えないよね」



サッカー部マネージャーも先輩と付き合ってるし、全国探せばいくらでも部内恋愛してる人なんて見つかるだろう。

自分がキャプテンと付き合えなかったからって負け惜しみはよくないよね、やっぱり。


半分というか、80パーセントくらいはさっきの発言に負け惜しみが入ってたことを反省して、にっしーに同意した。



「......あみちゃんは、ナシなの?
部員は対象に見れない?」

「そんなこと、ないけど。
人による、かなぁ」


なぜかやけにつっこんできいてくるにっしーに、口ごもりながら答える。



「それって、たとえば......、あ、あぶないよ」



なんだか気まずくて下を向いていると、にぎやかに騒いでいる集団にぶつかりそうになり、ぐっと肩を抱き寄せられた。



「あ、ありがと......」



すぐにその手は離されたけれど、胸がどうしようもなくドキドキして、触れられたところが熱い。

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