ふりむいてよキャプテン
「本田!無理に三振にとろうとしなくていいから、りきみすぎるな、ってヒロシにいってこい」

「はい!」



先生に伝令にいくように言われた一年生の本田くんは、マウンドに集まるみんなの元に走っていった。

しばらく内野手のみんなで何か相談したあと、キャッチャーがヒロくんの肩を叩いて、それぞれの守備位置へと戻っていった。


「ワンナウトー!」

「ワンナウトー!!」


キャッチャーが指を1本立てて、みんなに声をかけると、他の野手も同じように声を出す。


ワンナウト満塁のピンチ。
ただでさえ負けてるし、もう七回。これ以上点差はつけられたくないところだけど......。



「ワンナウト、ワンナウト!
ゲッツーとるぞ!」



ショートを守るいつき先輩がお通夜モードにならないよう、声を出して盛り上げる。

いつき先輩って、普段はニコニコしてて癒し系だけど、試合中は真剣でかっこいいよね......。
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