ふりむいてよキャプテン
「にっしー!?
先生、にっしー、じゃなくて西川くんどうしたんですか!?」


誰に運ばれるのがいいかな、なんてのんきに妄想している場合ではなかったみたい。

グラウンドのすみの方で倒れているにっしー、とそれをのぞきこむ先生と何人かの部員。

倒れて、イケメンにお姫さまだっこされるんじゃなくて、イケメンが倒れている。


あおむけになって目をつぶり、白い肌を赤くしてハアハアしているにっしー。

ちょっといやらし......ってそんなことを考えている場合ではないんだけど、なんだかいけないものを見てしまったような、思わず目をそむけたくなる色気がある。


「マネージャー、救急車呼べ!」

「は、はいっ!」


救急車、救急車!

なにが起こってるのか分からないけれど、とにかく救急車呼ばないと!


先生の声でようやくやるべきことを理解して、部室の方に全力でダッシュする。
< 155 / 604 >

この作品をシェア

pagetop