ふりむいてよキャプテン
「つーかさ、俺まるちゃんって見たことないんだけど、どんな子?」

「どんなって......可愛いこだよ。話しやすいし」



そこからにっしーはまるちゃんがどうとか、マサってクラスではどんななの、とか色々聞いてきた。


別にこんなの世間話だ。

ひまだからと親友に電話をかけた小野くんが悪いわけでもなければ、小野くんに好かれたまるちゃんが悪いわけでもないし。ましてやにっしーが悪いなんてこと、絶対ない。


それでも上手に答えられないのは、私がおかしいからだ。
そんなことは分かりきっている。





そんな話をしているうちに、いつのまにか観覧車の順番がきていた。


観覧車に乗る前から上の空の私に、観覧車に乗ったとたんに大人しくなったにっしー。


お互いに口数が少なくなって、私は何を見るわけでもなくぼんやりと観覧車の外を見る。
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