ふりむいてよキャプテン
文化祭準備進んだのとか、そんなたったひとことかふたことを自転車置き場までの道のりで話しただけ。

ただそれだけで、いつもの自転車置き場に行くだけなのに、すごく楽しくて。



「マサも途中まで一緒に帰る?」

「いや。宮崎さんに悪いから俺はいいよ。
二人とも、また明日」



自転車置き場でにっしーを見て現実に引き戻されてがっかりしてしまった私は、ほんとにどうしようもなく最低だ。


「おつかれー。
俺たちも帰る?」


笑顔で小野くんに手をふり、私の顔をのぞくにっしーに罪悪感でいっぱいになる。


こんなに、優しくて、いつも私を大切にしてくれる彼氏なのに、どうして私は......。


「うん.....、帰ろう」
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